川崎タカオという名でイラストレーター&漫画家をやっております。メールは…t-kawa@big.or.jpホームページは下の「カテゴリ」を御覧下さい。


by tarbokawasaki

「犬と、いのち」

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「犬と、いのち」(朝日新聞出版社)文=渡辺眞子、写真=山口美智子、プロデュース&構成=石黒謙吾

モノクロの可愛い犬の写真、詩的な風景描写から始まるこの本。

プロデュースの石黒謙吾さんの著書「盲導犬クイールの一生」はテレビでたまにやってる盲導犬を追うドキュメントのようにいたずらに感動を掘り起こすものじゃなく(あれはあれで泣いちゃうけど)、「盲導犬」と「クイール」のあり方とその人生を丁寧に静かに追っていくものだった。

そういった感じで、犬を愛する石黒さんが新たに出した「犬愛」の本と思ってページをめくっていったら…驚いた。いや、「犬愛」の本には違いない。ただ痛みのともなった愛というか、「犬愛」が深いからこそ、この本を作る辛さ、その覚悟は相当なものだったと思われる。可愛らしい犬の写真が一転して衝撃的で痛々しいものになる。現実のお話。




保健所に送られた犬たちが「処分」されていく過程を写真と文章でおったドキュメント。ホロコーストのような衝撃的な写真の数々。

この裏に平気で犬を「捨てる」人間がいるという事実がある。

動物は人間のような「わかりやすい表情」がない。そこが魅力で、喜びを声色や全身の動きやシッポなどで表すのが可愛らしい。一方で、だからこそ「感情のある生き物」ということを都合良く忘れて平気で「もの」扱いして捨てられるというんだろうか?「捨てないで」と喋らないから?中でもたちが悪いのは、本文中で語られる「私は犬が好きなのです。でも事情が許さず仕方ないのです。私もつらいの。かわいそう」と泣く女性。泣きゃいいのかコラ。「さびしい…」とか言って不倫して旦那を裏切って遊んでるバカ人妻か(ってこの例え違うか)。「命」を越えるような過酷な事情があるか?それが住居の問題、経済的な問題だったら他の人に飼ってもらうなりあるだろう。

僕は犬を飼ったことがない。実家も団地だったし。飼ったことある人間からすれば「飼ったこともないくせに語るな」と思われるかもしれないが、そういった「事情」や「死別の辛さ」やキチンと飼うことの責任を考えると飼えないし、飼わないというのも選択肢の一つだと思う。少なくとも「捨てる」のは理解出来ないし、飼ったことも、今飼う予定のない人間からしてもハッキリいって犬を「捨てる」なんてことが出来る人間はクズだと言える。上記と同様の理由で亀などの小動物すら飼えない僕は、今のとこ「飼う資格」がないし、それでいいと思う。「飼って捨てる」よりは。

でもこの本で訴えかけてることはそんな小さいことじゃなくて、もっとストレートに一匹でも多くの犬の命が無駄に奪われないよう意識を高める…ということで、そんなシンプルなことを製作者の人々はハラワタをえぐるような想いでこの本を作って、訴えている。

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ちなみに過去、漫画で幾つか「犬」の辛い現状が描かれたものを見たことがある。

「名門!多古西応援団」(講談社・所十三)の20巻あたりで野良犬を助ける応援団が保健所の人に文句を言うが保健所の人が「好きで殺してるんじゃない!お前らになにがわかる!」と逆につらい現状を叩き付ける…という漫画があった。

で、今人気の不良漫画「ギャングキング」(秋田書店・柳内大樹)の中でも上記の「名門!多古西応援団」を見て描いたとしか思えないほぼ同じエピソードがあった。

それと「ナンバMG5」(秋田書店・小沢としお)でも悪質ブリーダーの話の続きもののエピソードがあった。

全て不良漫画(「名門!多古西応援団」は応援団ものだけど、まぁ一応)。ヤンキーと犬、そこには深い絆が生まれる何かがある…石黒さんも元ヤンらしいし…って全く意味のない話で終わります…。
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Commented by つぼい at 2010-04-16 22:14 x
今日たまたまこの石黒さんの印税についてのブログを見てました。
http://www.blueorange.co.jp/blog/archives/1307
これも違う意味で衝撃的ですね。

ボクも動物は飼わない派です。
そもそも死というものを異常に恐れてます。
年のせいかなあ。
Commented by 川崎 at 2010-04-16 23:22 x
>つぼいさん
それもすごいですよね〜。「でもやるんだよ!」の精神ですね。

年も確実にあると思いますが、つぼいさんは一度、実際に命の危険があったからこそじゃないですか?俺も今年入って今までになかった体調不良なんで恐れますね…まだ死ねませんねお互い。
by tarbokawasaki | 2010-04-16 21:27 | Comments(2)